肅啓
春暖相催し候處益々御淸榮奉慶
賀候　陳者昨秋我か　皇室に於て行
はせられ候御卽位式に際し季埈公殿
下親しく李王家を代表して御參列相
成候段吾等國民謹んで敬意を表し
候就ては今般弊協會に於て大正聖代
の御盛儀を後昆に記念すべき一大寫眞
帖を刊行仕るに際しては過般來各貴
顯高官の方々に御貴影幷に大典に
關する文辭の御揮毫御依賴致居候
處夫々御快諾を辱ふし最早編輯も漸
く結末に達し候に就ては此際我等最も
敬拜措く能はざる李王殿下及び太王
殿下の御親筆を以て本帖に一大光彩を
添へ度候に就ては甚だ恐懼に堪へざる儀
に御座候へ共是非共閣下の御盡力
を以て何卒封入の絹帛に殿下の御揮
毫賜はる樣閣下より宜敷御執成の程奉
願上度右謹んで得貴意候　敬具
　大正五年　京都市御幸町綾小路下ル
　　三月　　大典記念出版協會
　　會長　　伯爵　　　　　　　　　山科言綏
　　理事　　工學博士　　　　　　　武田五一
　　贊助員　京都府知事
男　　　爵　大森鐘一
　　同　　　京都市長
法學博士　　　井上密
　李王職長官
　子爵閔丙奭閣下

拜復御尊書謹卽拜
見仕候御來示し內地
皇族殿下◘は御願中出づ
べさ都合ニ御座候字句◘御
大禮奉祝の意味◘御願中
上度候旣に大臣朝鮮總督
其他朝野の貴顯紳士の
方◘◘◘御揮毫◘寄せ◘水居◘
何卒宜敷御願擧申上候
　　　　　　　敬具

大正五年三月二十五日

　　　伯爵山科言綏

李王職長官子爵閔丙奭閣下

肅啓

春暖之候益益御淸穆奉慶賀候
陳者今般弊協會に於て大典記念一大
寫眞帖刋行仕度に付き過般失敬◘
不顧李王殿下の御染筆賜り度御
執成の程閣下迄に願出置候處
先般は態態御書面に接し恐縮仕候
其際御返書差出し御依頼致置
き候處定めし宜敷御執成賜り候御
事と奉恐察候

其後李埈公殿下幷に李堈公殿
下には旣に御染筆御下賜の榮を蒙
り弊協會欣喜措く能はざる次第に
御座候

就ては印刷も切迫仕居候場合何卒
李王殿下より◘特に御染筆賜り候
樣閣下より宜敷御執成の程伏し
て奉懇願度先は重ぬて御依頼
旁旁得貴意候　敬具

　大正五年四月

　　京都市御幸町綾小路下の

　　　大典記念出版協會

　　　會長伯爵　　　　　　　　　山科言綏
　　　主幹東雲新報社
主　　　幹　恒次九水
　　　顧問工學博士　　　　　　　武田五一
　　　贊助京都府知事
男　　　爵　大森鐘一
　　　同　京都市長法學博士　　　井上密

李王職長官

子爵閔丙奭閣下

大正五年三月廿二日立案　大正五年三月廿二日淨書　分掌　　　校準
大正五年三月廿二日决裁　大正五年三月廿二日發送　分掌

長官(印)　　庶務課長(印)　　主任(印)
　次官(印)

　　御揮毫ニ關スル件

　大典記念出版
協會會長伯爵山科言綏宛　　　長官

用紙卷紙拜啓益御淸穆奉恭賀候陳者貴
協會御發行ノ大典記念寫眞帖◘
李王李太王兩殿下ノ御揮毫御揭
載ノ件ニ關◘御來示ノ趣敬悉致
候右ハ內地各皇族御男子ノ御方方
孰レモ御揮毫被遊矣哉又其御染筆
ハ如何ナル字句ヲ選ハレ矣哉爲念拜
承致度此段得貴意矣敬具

大正五年四月十四日立案　大正五年四月十四日淨書　分掌　　　校準
大正五年四月十四日决裁　大正五年四月十四日發送　分掌

長官(印)　　庶務課長(印)　　主任(印)
次官(印)

　御揮毫◘關スル回答ノ件　長官

　伯爵山科言綏宛　(京都市御幸町通綾小路下
(東雲新報出張所內御大典記念出版協會

拜啓陳者貴協會御發行ノ大典
記念寫眞帖◘李王殿下御染筆
御揭載の儀◘付再度御來諭ノ趣
敬承然ハ◘當李王家◘於テハ從來此
等ノ事◘▣(就)付テハ総テ內地各皇族方
ノ御振合◘傚と來矣◘付過日內地皇
族方モ御揮毫被遊タルア否及御照
會矣次第◘有之矣不取敢回答迠
得貴意矣敬具