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獨逸國人宋卓ヲ皇室饌師ニ雇
聘スルノ目的ヲ以テ光武四年五月十三日
宮內府大臣署理尹定求及右宋卓
ニ於テ締結シタル契約ハ考記ノ條件ニ
依リ本年秋期ニ於テ之ヲ解除スルコト
ヲ玆ニ通告ス
　　　年　月　日
　　　　　宮　內　大　臣
　　獨逸國人宋卓宛
　　　考記
一宋卓カ解任歸國スルニ付テハ從來
　宮廷ニ對シテ盡シタル仝人ノ勤勞
　ニ鑑ミ慰勞金及旅費トシテ合計
　金參万円ノ下賜セラルヽコト
　前項ノ金額ハ仝人當國ヲ退去スル際
　ニ於テ支給セラルヽコト
一宋卓カ一千八百九十六年九月十七日
　附賣買証書ヲ以テ󰡔プレスビテリアソ󰡕
　外國傳道會ヨリ買受ケタル不動産 2)
　及皇帝陛下ノ命ヲ奉シ光武八年
　一月一日幷ニ仝二年三月十六日附ヲ
　以テ宮內府ヨリ宋卓ニ交付シタ
　ル二箇ノ下賜狀ニヨリ下賜セラレタル
　建物ニ棟付地所及建物一棟付地所
　ニ關シテハ宮內府ハ一切異議ヲ有セ
　ス全然宋卓ノ所有ト認ムルコト
一宮內府カ󰡔プレスビテリアソ󰡕傳道會
　ヨリ購入シタル不動産ニシテ之ニ對シ
　光武四年六月一日附ヲ以テ漢城府
　尹ヨリ發給シタル地券第五十三号
　ハ當時韓國駐在米國辨理公
　使Dr.allenヨリ宋卓ニ交付シ
　テ皇帝陛下ノ命令アル迠之ヲ保
　有セシメ現ニ在京城獨逸總領事
　館ニ保管セラルヽモノニ關スル不動産
　ハ代然現狀ノ儘宋卓ノ管理ニ屬
　セシムヘキモ仝人當國ヲ退去スル際
　又ハ何時ニテモ正當韓國官憲ノ
　請求アル場合ニ於テハ宋卓ハ該地 3)
　券ト共ニ右不動産ヲ返還スルコト
一宮內府ニ屬スル家具其他總テノ
　動産ニシテ現ニ宋卓ノ管理中ニ
　在ルモノハ仝人當國退去ノ際之レヲ
　宮內府ニ返還スルコト
一宋卓ハ前揭參万円ノ下賜金ヲ
　受クルニ於テハ其過去ノ勤勞ニ對
　シ何等報酬ヲ請求スルコトナカルヘク
　旦今後解任ノ期迠ハ現契約ニヨリ
　一定セル俸給ノミヲ受リルニ止マルヘク幷
　ニ仝人カ旣ニ宮內府ヘ納入シ又ハ將
　來納入スヘキ飮食料品等ノ代價ニ
　對シ現ニ有シ又ハ將來爲スヘキ請求
　ヲ除ク外宮內府ニ對シ如何ナル性質
　又ハ形式ノ要求ヲモナサヽルコト
一宮內府ハ本書ニ指定シタルモノヽ外
　ハ過去ニ於ケル事項ニ關シ宋卓ニ
　對シテ如何ナル性質又ハ形式ヲ有スル
　要求ヲモナサヽルコト
　　　以上